ゾイド生みの親徳山氏5656万字!?限界ロングインタビュー 第4回

徳山 もともと『ゾイド』って発掘、復元っていうコンセプトはあるんです。でも子供の調査もすごくしたんですが、今の子供たちはニッパーとか持ってなかったり、ほんとにプラモデルを作ったりしないんです。それはある程度、僕らの中での懸案だったんですね。でもそれを若手が考えて、復元の書や発掘っていう、「ひとつの世界観の中で組み立てたらどうか」っていう発想を出してきたんですよ。
 だから今回の『ゾイドワイルド』は、最初からパーツが切り離してあって、それを袋に入れているんです。パーツが入っている袋は、遺跡の発掘とかで使うようなちゃんとした袋で、それに発掘されたものが丁寧に保管されて入っている、そんなイメージなんです。そして土をかぶせて発掘するイメージで、仕切りの部分を地層に見立てたデザインにしたり、説明書も「復元の書」と称したり。このあたりは若手が頑張った部分ですね。

 あと『ゾイドワイルド』ではアプリ連携をして、パーツの組み立てを動画で見せたりとか、エフェクトをつけた動画が撮れるとか。こういった試みも、若手中心で、世界観自体のつかみかたが進化してるなって思います。昔は「改造コンテスト」とかやりましたけど、今だとたぶん、アプリのなかで、YouTubeとかにあげたりして、自慢のしあいもできるんでしょうね。

──(ここで『ゾイドワイルド』の商品を、箱から出した状態が登場)今回はこんな感じで入っているんですね。本当にランナーパーツもないし……これはほんと、斬新ですね!

徳山 そうですね。絶滅危惧種の僕は、絶対やらないです(笑)。僕なんかの考えでは、これはメーカーとしてはめんどくさいし、大変な作業なんですよ。でも、これを若い人たちはやりきりました。

──まさか箱から出した瞬間から、ここまで世界観が反映されてるものだとは思いませんでした。なんか白い手袋を用意したくなるような(笑)。

徳山 そうそう(笑)。まあ、すっごい大変ですけどね、コストもかかりますし。でも、これもひとつのソフトになるわけで、『ゾイド』に新しく補完された世界観だと僕は思っています。イメージボードの絵でお見せした発掘とかも、商品に反映されるべきですから。
 だからね……誰しも一回は、博物館とかに行くと思うんですけど、子供たちがそこに行った時に、「あ、これゾイドだ」って、「これワイルドブラストしたらどうなるんだろう」って想像したら、一番いいですよね。僕の中では、商品が世の中に出てから、子供たちが博物館行った時にどう感じるかっていうのが楽しみなんです。最近は博物館も人気ありますし、夏には恐竜博をよくやっていて、見せ方もどんどん変わってますからね。しかも今回のゾイドのサイズが、若干本物の恐竜スケールに近い1/35なので、子供たちが博物館に行った時には、より感じてくれるかなーって思います。
 

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