【スプラトゥーン】トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!! あとばる×メンタリティしのはらが語る「スプラトゥーン甲子園2020」~3~

トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!!
【あとばる×メンタリティしのはら 第3回】

あとばる×メンタリティしのはら(以降、メンしの)対談の第3回目。
 
今回もメンしの選手所属の月下雷鳴が優勝した「第5回スプラトゥーン甲子園 近畿地区大会DAY1」についてふたりに語ってもらったぞ。月下雷鳴の強さのヒケツに迫ってみよう!
 
第5回 スプラトゥーン甲子園 近畿地区大会 DAY1 [Nintendo Live 2019]

 
メンタリティしのはら選手が所属する月下雷鳴が優勝した「第5回 スプラトゥーン甲子園 近畿地区大会 DAY1」は上の動画で見ることができるぞ。
 

あとばる
驚異的なエイム力を持つカリスマプレーヤー。「第2回スプラトゥーン甲子園」では、不利な状況から相手を次々と倒す神がかり的なプレーを連発し、優勝に大きく貢献。H3リールガンの名手としても知られ、彼の影響でH3リールガンを使い始めたプレーヤーも多いとか。おもな実績は「第2回スプラトゥーン甲子園」優勝、「第4回スプラトゥ-ン甲子園オンライン代表決定トーナメント」優勝など。チームLibalent Calamari(リバレントカラマリ)所属。
メンタリティしのはら
スプラ界でも屈指のスロッシャー使い。第2回から「スプラトゥーン甲子園」に出場している猛者で、第3回甲子園では準優勝という輝かしい結果を残す。また、今年開催された「第5回スプラトゥーン甲子園2020」では、リーダーとしてチームを牽引。見事に近畿地区大会DAY1を制し、 全国決勝大会出場への切符を手にした。実力と実績を兼ね備えた、スプラトゥーンを代表するトッププレーヤーのひとりだ。

 

練習の成果が出た準々決勝

――準々決勝は海女美術大学で「空飛ぶNo mark」が相手でした。この試合は中盤まで劣勢で、残り40秒くらいで逆転という展開でしたけど、よく焦らずしっかり打開につなげましたね。
メンしの:あの試合なんですけど、僕自身はバチバチに焦っていたんですよ。立ち回りには出ていなかったんですけど、心の中では「まじで?まじで?」みたいになってて。僕は左にいたんですけど、最後の40秒くらいでワンチャン取りに行こうと思っていたら、味方が敵のジェットパックを落としてくれて、そのまま打開につながった感じになって。
 それで、その間は僕、本当になにもしていないんですよ。相手が3枚落ちているから左を塗り固めちゃおうって塗りをしてて、残り10秒くらいでセンプクから1枚倒したところで試合終了みたいな。あの試合は本当に味方に助けられました。
 
――試合後のコメントでも「1人しか倒してない」って言ってましたね。
メンしの:そうなんです。僕、この試合で1キルしかしてないんですよ。ナワバリって拮抗している試合だったら最後の10秒くらいのキルって本当にでかいんですけど、抑えと打開がはっきり分かれているときの最後の10秒くらいの1キルってそんなになんですよ。僕は、そのタイミングの1キルだったんで、本当にほぼなにもしていないんですよね。
 残り20秒くらいでキルしているんだったら、これは試合を確定づける1キルだなとなるんですけど、本当にカウントダウンが出てきてやっと1キルみたいな感じだったので。この試合は本当、味方が強かったですね。そう考えると、やっぱり準々決勝は緊張していたかもしれないです(笑)。
 


▲手に汗握る展開となった準々決勝。中盤まで不利な状況だった月下雷鳴だが、ここから見事な打開を決めて勝利した。
(第5回 スプラトゥーン甲子園 近畿地区大会 DAY1 [Nintendo Live 2019]4:21:45より引用)

 
――でも、そうした中でも下手に焦って前に出たりせず、しっかり生き残って塗りを固めたのはさすがという感じでした。
メンしの:これは練習の成果が出たかなって気がしますね。僕は練習だと、すぐキルを取ろうと焦って1人でやられるということがけっこうあって。味方にも「前に出すぎ」とか「やられすぎ」と言われていたので、そこはかなり意識して修正するようにしていました。その成果が、このタイミングで出たのかなと思います。心は焦っていたけどプレーには出ていなかったので、そこはたぶん練習ですね。
 
――次の準決勝から2本先取になり、1本目を勝利して、2本目がムツゴ楼でした。ムツゴ楼はかなり戦い方が難しいステージという印象があるんですけど、実際どうなのでしょう?
メンしの:ナワバリをやっているプレーヤーの間でも、ムツゴ楼は今回の甲子園の中だと一番難しいステージ言われていますね。
 
――チームとしてはこういう組み立てをしていこうというのは事前に考えていたりしたんですか?
メンしの:うちのチームはあんまりそういうのはないんですよ。この時間にここに行こうみたいなのはあまりなくて、どちらかというとカバーの意識とかでしたね。ムツゴ楼で言うのなら、南の神社側をスプラスピナーのりうくんに任せて、ほかの3人は北みたいな。
 
――なるほど。一応、そういうところだけは決めておいて。あとばる選手のカラマリの場合はどうですか。
あとばる:役割自体はきちんと決めてやっていますね。ただ、役割を決めているからこそ、決まっている人が柔軟に動かないと厳しい盤面もあったりで、ちょっと回数をこなしていかないと、パッと合わせてはできないようなステージだと思いますね。広いし、ステージ構造もなかなか難しかったり、塗る場所の効率もちょっと違ったりとか。
 


▲(第5回 スプラトゥーン甲子園 近畿地区大会 DAY1 [Nintendo Live 2019]5:04:21より引用)

 
――あまり来て欲しくないステージですか?
あとばる:正直、あまり来て欲しくないですね。
 
――とくに1本先取でムツゴ楼だと……。
メンしの:本当にやだ。いま想像しただけで嫌になりましたもん。
 
あとばる:絶対嫌ですね。
 
メンしの:ただ、うちはちょっとだけムツゴ楼は得意だったんですよ。たぶん他のチームよりはそこまで苦手ではなかったんですね。というのも、このステージは14式竹筒銃で南側を抑えてくるチームが多いんですけど、りうくんによると「スピナーなら14式竹筒銃をボコボコにできる」らしくて。
 実際、この準決勝も相手チームに14式竹筒銃がいて、僕らが北側でやられちゃって「これは、やばい」と思ったんですけど、後で放送を見返したら、りうくんが南側で14式竹筒銃を抑え込んでいて、それで試合に勝てたんだなと。
 
――確かに、相手チームの14式竹筒銃のプレーヤーはかなり苦労している感じでした。
メンしの:あの地形なんでしょうね。スピナーと14式竹筒銃を平地で対面させたら、絶対に14式竹筒銃が勝つんですよ。でも、ここの地形だとスピナーが有利になる。りうくんによると、ここの地形の段差の真下に入ると14式竹筒銃が狙えなくて、相手に当てるためには体をのりださなきゃいけない。でも、そうするとスプラスピナーの弾が通るので、狩れるみたいなことらしいです。でも、あのりうくんの動きは、たぶんスピナーをかなり使っている人じゃないとできないですね。
 


▲この北側のエリアを巡る攻防がムツゴ楼の大きなポイントのひとつだ。
(第5回 スプラトゥーン甲子園 近畿地区大会 DAY1 [Nintendo Live 2019]5:07:00より引用)

 
――ちなみに、このムツゴ楼だとジェットパックを3枚入れた編成で勝利したチームもありました。ジェットパックを多く入れるのもわりと流行の編成なんですか。
メンしの:いまのナワバリの環境がちょっとジェットパックに寄って来たかなと思ったのが、近畿地区大会のちょっと前からくらいなんですよね。練習していて、「最近、ジェットパックが多いな」と思って。とくにムツゴ楼はステージ構造的に打開で立つポジションは高くて、真ん中で戦うポジションが低いじゃないですか。
 打開のときは体を出しに行かなきゃいけないんですけど、それに対してジェットパックは低いリスクで相手に圧をかけられるのが強みなんですよ。ナワバリ自体がそうなんですけど、どれだけリスクを低く相手に圧をかけられるか、リスクとリターンの差をどれだけ考えて行動できるかみたいなところがあるので、その点、ジェットパックはムツゴ楼というステージとは噛み合っている感じがしますね。なので、ジェットパック3枚でも戦略としては全然アリだと思います。
 


▲DAY2の決勝1試合目となったムツゴ楼戦では、AquaPaletteがL3リールガンDを3枚入れたジェットパック構成を採用。見事に1本目を先取している。
(第5回 スプラトゥーン甲子園 近畿地区大会 DAY2 [Nintendo Live 2019]7:15:46より引用)

 
あとばる:過剰に積むほどではないかなと思いますけど、やっぱり打開のときに相手がスペシャルを溜めて、たとえばボムピッチャー始動からのイカスフィアで制圧みたいなパターンが多い。そうなると、こっちも迎え撃つスペシャルがイカスフィアとかだけだと弱いので、ジェットパックを1枚入れて爆発力に期待するのは全然ありだと思います。でも、自分のチームの場合だと、チャージャーがジェットパック的な役割を担えるので入れても1枚ですかね。
 あと、L3リールガンDがジェットパックを持っているというのも採用されやすい大きな理由かなと。
 
メンしの:そうですよね。たぶん、ほかのジェットパックブキだとちょっと合わないなと思いますね。確かに。
 

イカスフィアへの見事な対処が光った決勝戦

――決勝の3試合目はエンガワ河川敷でした。相手はイカスフィア4枚という編成でしたが、月下雷鳴はイカスフィアへの対処が非常に上手だなという印象がありました。対イカスフィアの動きというのはかなり研究したんですか。
メンしの:研究したというよりは、イカスフィアはなるべくみんなで触ろうということはチームで統一していました。もともと「カモン」をちゃんと使っていこうというのは決めていて、相手にイカスフィアを切られた人が「カモン」を押すと、そこにみんながカバーしに行く。それで、イカスフィアの終わりにみんなで叩くという形なんですけど、この決勝の3戦目はそれがめちゃくちゃうまくハマった感じですね。
 この試合で、敵のイカスフィアが3枚くらい右に集まって、でも最終的に自分たちは全員倒されず、相手を全員倒してオールダウンみたいな場面がありましたけど、この場面なんかは、そのあたりの連携が「めちゃくちゃうまくハマったな」という感じでした。
 


▲1勝1敗で向かえた決勝の3試合目。相手のイカスフィアに対し、月下雷鳴はチーム全員の連携で対応。見事、優勝を勝ち取った。
(第5回 スプラトゥーン甲子園 近畿地区大会 DAY1 [Nintendo Live 2019]5:55:00より引用)

 
――この近畿地区大会の結果を踏まえて、あとばる選手は月下雷鳴というチームにはどういう印象を持ちましたか。
あとばる:面倒くさい相手だなあという印象ですね。個人的にスピナー系とスロッシャー系が苦手なんですけど、月下雷鳴はスピナー系を持てるプレーヤーが2人いて、スロッシャー系でトップレベルのメンしのくんもいて、ひいらぎくんはなんでも器用に使いこなす前線なので、メンバーを聞いただけでも「ゲッ」という感じですね。たとえ環境が変わっても器用に編成を変えられるメンバーだと思うので、僕たちが全国に行けたとしてもできれば当たりたくない相手ですね。
 
メンしの:それこそ、りうくんとかがL3リールガンを持っている時点でそうなんですよね。
 
あとばる:なんでも持てるようなメンバーが揃ってしまっているので、これから環境が変わろうと、変わらなかろうとと確実に強いだろうなという。だから近畿地区大会で優勝したのも納得って感じなんですよね。
 
メンしの:嬉しいな。褒められ慣れていないんで、ストレートに褒められると嬉しいです(笑)。
 

【今回のまとめ】
・準々決勝での逆転劇はこれまでの練習の成果の賜物!
・ムツゴ楼は今回の甲子園の中でもっとも組み立てが難しいステージ!
・月下雷鳴は環境に合わせたブキ編成が可能なチーム!

 
次回もあとばる選手×メンしの選手の対談をお届け!
 
全国決勝大会への意気込みや、ほかの地区大会の感想などを語ってもらったぞ。お楽しみに!
 

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次回は12/10(火)更新!!