【あつ森】『あつまれ どうぶつの森』プレイ日記 角満島開拓誌 第1095回 いつかまた、どこかの“森”で!!

定期更新、これにて終了~~~!!

 2023年3月20日、朝--。

 それまでの1094日と何ら変わらず、身体に刷り込まれた定期行動のひとつとして、起き抜けにNintendo Switchの電源を入れた。この一連の流れはいまや、ご飯を食べたり、トイレに行ったり、もしくは呼吸をするのと同じくらい俺の日常に組み込まれている。

 すると画面に、俺にとっては“究極の朝の顔”が現れてその日の幕開けを告げたのだった。

 『どうぶつの森』の象徴のひとつである、しずえの朝のご挨拶。彼女がルナステラ島に赴任してきたのは2020年3月30日なので、この放送も見るのも……1085回目になるのか。よくぞ体調を崩すこともなく、毎日律儀に朝の訪れを告げてくれたものよ……。

 俺にとって最後のしずえの島内放送では、↓こんなアナウンスを聞くことができましたw

 「ジョニーwww あつ森3周年記念日にも遭難してんのかよwww」

 思わず噴き出す俺。このジョニーのおとぼけにより、ズシンと重くなっていた俺の心が目に見えて軽くなった。

 そう、この日をもって俺は、ルナステラ島と『あつ森』から卒業するのだ。

 2020年3月20日から1日も休むことなく通い続けたこの島を離れ、1095回も連続更新をした“角満島開拓日誌”をみずからの手で閉じるのである。

 いまや俺のライフワークと化していた連載だったので、自分で決めた引き際とはいえその事実は堪えた。タイミングとしてはベストだと確信していても、いざ終わるとなると、

 「やっぱ……さみしいよなぁ……!><

 と、この事実と向き合うたびにこみ上げてくるものがあったのである。

 でも。

 『あつ森』3周年記念日であり、俺の最終ログイン日となる2023年3月20日を迎えたその日に、まるで膝カックンを喰らったかのように、

 「浜辺でジョニーが遭難してます!!」

 なんて気の抜けたことを聞いてしまったら……もう笑うしかなかったw

 そっか……w

 今日も、そしてこれからもルナステラ島には同じ風が吹いて、ともに暮らした気の置けない仲間たちがワイワイキャアキャアと平和なやり取りをくり広げていくんだなぁ……。

 「それでは……本日も楽しい一日になりますように!

 いつものしずえの言葉に背中を押されて、俺は自宅を飛び出した。皆勤賞最後のこの日は、ともにここまで歩んできたすべての住民に声を掛けて、心の中で「ありがとう!!!」を伝えたいと思っていたのである。

 住民を探す道すがら、まるで反射のように“いつもの行動”をしてしまう。

 雑草を抜いて……。

 木の枝を拾って……。

 3年間で何百、何千とくり返してきたこの行動。さらに、

 もうそのままにしときゃいいのに、地面に浮かぶ★マークを見るとどうしても掘り返してしまうよww 

 朝のパトロールをしながら、美しく変貌した新生・ルナステラ島を駆けていると……!

 ちゃちゃまる--。

 多彩な表情とおとぼけ発言でいつも笑わせてくれた“永久住民”のひとり。オマエと暮らせて、本当に楽しかった!! ありがとう!!!

 続いて……!

 ジュン--。

 2021年2月にキャンプサイトに現れてくれたときは、心の底からうれしかった……! ジュンのキザな発言は、確実に一服の清涼剤だったよ!! ありがとう!!!

 ジュンの家を出てあたりを見ると……!

 あww アポロは何やら悩み中みたいなので、しばらくそっとしておこうww こんな日に引っ越しの打診をされたらたまらんからなあ^^;

 続いては……!

 リリアン--。

 話し掛けるのがひさびさになっちゃってゴメン^^; でも、リリアンがキャンプサイトにやってきた2021年9月のことはいまも忘れられないよ。俺の永遠のドラフト1位どうぶつ……! いっしょに暮してくれて、ありがとう!!!

 ももこ--。

 ここでもひさびさの声掛けをとがめられているように、最近の俺は忙しさのあまり、あれほど熱心に遊んでいた『あつ森』もログインするだけになっていた。ももこなんて早朝から活動しているのに、それすら声掛けできないほどに……。それも含めて、ごめんなさい。そして、最後まで島に残ってくれてありがとう! ももこ!

 ジャスミン--。

 2021年8月に、古株のかぶきちと入れ替わりで入って来た美少女キャラ。あまりにうれしくて、連日のようにプレゼント攻勢をしていた思い出がww 仲間になってくれて、ありがとう!!!

 メープル--。

 ヒノコに次ぐ古参ながら、2022年6月に引っ越しをさせてしまったメープル……。あのときの後悔は、3年間のプレイでも最大のものがあったわ……。でも、すぐに戻ってきてくれてありがとう!!! またいっしょに暮らせて本当によかった!!

 ここで俺は、島の生活を支えてくれた各施設にご挨拶に出向いた。と言っても……w

 彼らはいつもと変わらず、今日も、そして明日以降もマイペースで業務に勤しむのだろう(フータ、寝てるけどw)。なので余計な声掛けはせず、

 「いままでお世話になりました!! 本当にありがとう!!!」

 リアルに口に出してそう言って、俺は各施設を後にしたのだった。

 さあ、あいさつ回りの続きだ。

 1ごう--。

 住民が誕生日の際は必ずと言っていいほど駆け付ける気配りの男……。「俺がいなくなった後の住民代表は1ごうしかいない!」と思っていたけど、本当にその日が来るなんてな。1ごう、いままでありがとう!! そして、ルナステラ島のことをよろしくな!!

 アポロ--。

 先ほどのフキダシから解放されたようなので声を掛けたよw ご意見番として、島での出来事を何かと気にかけてくれていたアニキ的存在。今日も……遭難してるジョニーの心配してるww いつも頼りにしていたよアポロ! ありがとう!!

 本当は放置しておこうと思ったけど、アポロに釘を刺されたし、フラリと現れるゲストの中ではもっとも好きなどうぶつだったので、最後にジョニーにも声を掛けたよwww

 「オーマイゴッシュ!」

 も、これで見納めだなーーー。

 さらに……!

 シベリア--。

 ルナステラ島でもっとも新しい住民だけど、それでも仲間になってくれてから1年になるんだなー。オオカミ系は必ずひとりは確保したかったので、シベリアが来てくれてうれしかった!! ありがとう!!!

 そして……!

 この島にいっしょに移住してきた最古参であり、幼馴染のヒノコは相変わらずお寝坊^^; でも、彼女に挨拶しないことには締められないので、

 家の前で日向ぼっこをしながら待っていると……!

 カーテンが開いた!!! 突撃じゃああああ!!!ww

 そして交わされた、何千回目かのヒノコとの会話……。それは、↓こんな内容でした。

 「今日はなんだか、アンタが来るような気がしてたんだ! アツイわ」

 このセリフを見た瞬間、我慢していた涙が堰を切ったようにこぼれてきてしまったよ……。俺、もう50過ぎなのに。こんな牧歌的なゲームを遊んでいて、なんでこんなにぐしゃぐしゃになってんだ……><

 3年前の2020年3月20日に無人島だったこの島に移住してきて、ヒノコと初めて会話をしたその瞬間が走馬灯のように脳裏に蘇る。

 このとき、世界は新型コロナウイルスの波に飲まれつつあり、日本でも外出自粛やリモートワークの必要性が盛んに議論され始めていた。そんな、暗くて鬱屈とした空気が蔓延する中、俺を始めとする多くの人にほんわかとした空気と安らぎを届け、コロナ禍以前の世界を思い出させてくれたのが他でもない、『あつまれ どうぶつの森』というソフトだった。もしもあのとき『あつ森』に出会っていなかったら、俺の世界線はどれほど悲惨なものになっていただろう(苦笑)。そう思えるほど、俺はこの“何もしなくていいゲーム”に依存していたのである。

 でも……もう大丈夫かな。

 あれほどしつこく居座っていたネガティブな空気はいつの間にか薄まり、コロナ禍以前の日常が戻りつつある。イベントにもふつうに足を運べるようになったし、マスクの着用も自身の判断にゆだねられるところまでやってきた。となれば--!

 「よーし!! 外に出るかーーー!!!」

 毎日通ったルナステラ島から、俺は2023年3月20日をもって卒業する。でも卒業生のひとりとしてときたまフラリとやってきて、住民たちと旧交を温めようと思っているよ。だって彼らはずっと、この島で俺のことを待っていてくれるのだから。

 そんな仲間たちと最後に記念撮影をしようと、↓こんな試みをしてみた。

 わざわざ橋をひとつ壊して作り直し……w

 セレモニーを挙行して全員集合!!!ww みんなで集まる手段、これしか思いつかなかったんだもの!!!ww

 「みなさんの絶え間ない協力によって、このルナステラ島は素晴らしい発展をとげているだなも!」

 丸3年ものあいだ1日も欠かすことなくログインし、長文日記を投稿し続けた奇跡は誰にも否定されるものではない。でもこんなこと、我がモノ書き人生において最初にして最後のことだと確信するよwww

 そんなことができたのも……!

 『あつ森』開発チームの皆様!! 編集と遊び相手を担当してくれたたっちー先生!! この場を提供してくれたコロコロオンライン!! そして何より、毎日毎日読みに来てくれた読者の皆様!!! あなたたちの存在なくして角満島開拓日誌は成立しませんでした!!!

 心からの感謝を込めて--!!

 3年間、本当に……!!!!!

 ありがとうございましたーーーーーーー!!!!!><

 もう……続かない!!!(涙)

 でもつぎの“森”で、必ず会いましょう!!!

 おしまい!!

 

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

『あつまれ どうぶつの森』公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html

※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『あつまれ どうぶつの森』のものです。
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