ミヤマvs.コーカサス！
最初のご神木にシツコイほど張り付き、各ムシどものレア色（つまり異なる遺伝子ね）集めをしているお話、その続きである。
前回は、我が少年時代の激レアヒーローだったムシ、“ミヤマクワガタ”との思い出を綴らせてもらった。
俺は小学校4～6年生のころは、毎年夏になると100匹を余裕で超える数のカブト＆クワガタを飼育していた人間だけど、その保有割合は、
・カブトムシ（♂）：3
・カブトムシ（♀）：4
・コクワガタ：2
・その他：1
こんな感じで、わずか1割の中にノコギリクワガタとミヤマクワガタ、そしてごく稀にヒラタクワガタやアカアシクワガタが混ざっていた感じ。そして、この稀軍団の中でもミヤマクワガタはとくにレア度が高く、1匹でも捕まえようものならその夏はシーズンを通してハッピーに暮らせた……ってくらい、希少で幸福な（？）ムシだったのである。
そんなミヤマクワガタが、いま目の前にいる。それも、
遺伝子“マット”という、じつにシブい色合いをして……！！
これはどうあっても逃してはならじと、
我が軍は“黒き鉄壁の鎧武者”こと、ダウンロードコンテンツ第1弾のコーカサスオオカブトを惜しげもなく投入。その結果……1回戦は……！！
ずがんッッ！！！ｗｗｗ
最大攻撃の99！！！
これに対し、ミヤマクワガタ君は……！！
へにょんｗｗｗ
たったの7……！ｗｗ 思わず、
｢ミヤマ君！！！ がんばって！！！＞＜｣
と、かつてのヒーローに声援を送ってしまった俺なのであった＾＾；
しかし……！
これが油断の始まりであった……！！
目押しルーレットの数字を見ても、我がコーカサスオーカブトは最低でも13で、最大ではカンストの99を誇る。一方のミヤマクワガタは最大でも19しかなく、コーカサスの最低数字の13に勝てるのも15、19の2種類しか持っていない……。つまり、コーカサスが2番目に低い25以上の数字を出した瞬間に、
｢勝負アリッッッ！！！｣
が宣告される状況であって、ミヤマクワガタが一矢報いる可能性はほぼゼロに近いと言ってよかったと思う。
そんな、自軍の圧倒的優位な状況にあって、この大塚角満という男が油断しないわけがなかった。
｢お！ そろそろ、毎日楽しみにしている『キューピー3分クッキング』の時間だぞ＾＾ わーいわーい＾＾ 今日はどんなレシピかなぁ＾＾＾＾｣
ニコニコと言うなりテレビを付けると、脳ミソの9割9分を『キューピー3分クッキング』に、残り1分だけをvs.ミヤマクワガタ戦に割り振って…………つまり、超絶テキトーに目押しボタンを押していたのである（苦笑）。
その結果、何が起こったのかと言うと……！！
カンスト攻撃を持つ漆黒の戦国武将（いろいろ異名があるな）、コーカサスオオカブトの一撃は……ッ！！！
へにゃんｗｗｗｗｗ
！！！( Д ) ﾟ ﾟ
じゅじゅじゅ、じゅうさん！？！？！ ハンマーパンチをくり出したと思ったら五十肩の影響で｢はぅ！！！！！｣となり、子猫を撫でるときのようなヘロヘロパンチになり果ててしまった感じ！！？
この、あまりにもあんまりな舐めきり攻撃をミヤマクワガタが見逃すわけもなく、
｢くくく……！！！ よくぞナメ腐った攻撃をしてくれたなぁ……！！！ この屈辱……！！ 最大ダメージを叩き込むことでしか晴らすことはできん！！！！｣
ってんで、猛烈なラッシュを仕掛けてきたッ！！！ その結果……！！！
ふにょんｗｗｗｗ
あ……ｗ ミヤマクワガタ、最大でも15なんだよな……ｗ
いやでも！！ なんと、強さ500vs.100の戦いにおいて、まさかまさかの番狂わせ！！！ コーカサスオオカブトが、1本取られちまったぁぁぁああああ！！！！ｗｗｗ
……とはいえ。
これで目が覚めたコーカサスオオカブト（ていうか、俺）はフンドシを締め直し、ラストの3戦目は当然……！
がおんッッ！！！ｗｗｗ
｢勝負アリッッッ！！！｣
ミヤマクワガタに目にモノを見せて、どうにかこうにか勝利したのでありました……ｗ
続く。
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部！”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか！』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『カブトクワガタ』公式ツイッター：
https://twitter.com/kabukuwa_info
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