デュエマ妄想構築録 vol.69-1 ～5マナで特殊勝利！QXドゥーム!!～

By まつがん

　恒例の宣伝からだが、皆さんは15日ごろ発売のコロコロコミック4月号はもう入手されただろうか？

　デュエル・マスターズの原作コミックが読めることはもちろん、4月に発売する王道篇第1弾「デーモン・オブ・ハイパームーン」に関する情報も色々と掲載されている。ぜひとも手に取ってみて欲しい。

　先月発売したアビス・レボリューション外伝「邪神と水晶の華（デスベル・クリスタル）」は、裏向きマナという全く新しい体験をデュエマにもたらした。

　このセットのもう一つの特徴は、コンセプトがセット内で完結するという点だ。裏向きマナを作るカードも、裏向きマナを生かすカードも、互いに必要としているのは互いのみであり、良く言えばパックを買えばオールインワンのパッケージで簡単に手に入る、悪く言えば少し発展性に欠けるきらいがある、という特徴を有していた。

　だがそんな中にも、パックコンセプトの外側にも発展の余地があるカードが存在していた。

　《偽りの名 リベルラ》。裏向きマナが4つ以上という厳しい制限とはいえ、呪文のコストを永続的に4軽減できるというのは破格すぎるボーナスだ。

　だが、本来なら6マナで《偽りの名 リベルラ》を召喚したのち、次のターンに7マナからこのセットに同じく収録されている《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》の下側を唱えるというのがこのパックでのデザイナーズ・コンボと思われるところ、いざその方向でデッキを作ろうとしてみると、なかなかうまくデッキにならないという問題点があった。

　そもそも《偽りの名 リベルラ》を出した次のターンに裏向きマナが安定して4つできるようにするためには、かなり多くの裏向きマナ生成カードを採用する必要がある。そんなデッキで《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》の3ドローからゼニスを大量召喚しようにも、運が良くて2体、平均するとせいぜい1体くらいしか出せないのだ。

　もちろんそのゼニスをたとえば《引き裂かれし永劫、エムラクール》などにすれば1体のみの召喚でもかなりのインパクトはあるものの、別にそれでさえ確定で勝てるというわけでもない。ゆえに《偽りの名 リベルラ》は確かにゲームの勝ちに近づけるだけのスケールは持ちつつも、いまいちその能力を生かせる相棒がセット内にいないという状態にあった。

　しかし、そこで私は考えたのだ。呪文ならば何でも軽減できるのだから、「唱えたら勝ち」の呪文と組み合わせればいいと。

　そう、すなわち。

　《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》から《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》で相手に引かせれば即勝てるのでは？？？🤔🤔🤔

　《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》のクリーチャー側は相手の敗北条件となる横向きのカードを作るために1度攻撃しなければならず、殴り返しのリスクを負うという弱点があった。その点そうしたリスクを克服したのが呪文側のデザインだが、それでも即座には勝てないため結局《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》を処理されると勝てないという問題点があった。

　だが《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》の呪文側から《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》の上側を唱えれば、相手に対処の余地を与えることなく問答無用で特殊勝利できる。ただもちろんこれだけでも2枚コンボとして成立はしているとはいえ、計11マナもかかるというのはやはり現代デュエル・マスターズにおいては正気の沙汰ではない。

　そこで《偽りの名 リベルラ》による呪文軽減を挟むことで、11マナを計5マナにまで圧縮することが可能となるのだ。これなら《偽りの名 リベルラ》を出した次のターンに勝利することも現実味を帯びてくる。

　水自然ベースのデッキになるので、《流星のガイアッシュ・カイザー》はマナベース強化というだけでなく、《偽りの名 リベルラ》を引かない場合の中継ぎとして優秀だ。

　さらに《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》を入れておけば《流星のガイアッシュ・カイザー》からのつながりがいいことはもちろん、《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》を引かない場合に《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》の下側で一挙大量召喚の夢も見られる。

　というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ！

　『テストデッキ』

　呪文を軽減したいのかクリーチャーを軽減したいのかハッキリしろ！！！😡😡😡

　「○○を引かない場合」で相互に補完し合っていたので一見合理的なデッキに思えたが、回してみるとあまりの不協和音によるストレスでハゲ散らかしそうになるほどであった。

　その原因ははっきりしていた。サブプランの採用によってメインプランが脆弱になってしまっている点だ。

　デュエル・マスターズは相手の行動に干渉できない分、メタクリーチャーや手札破壊などで相手のプランを咎めるのが常道だ。ゆえに強力なデッキというものは、メインプランが妨害されて達成できなくなりそうな場合のサブプランを用意しているのが通常である。

　だが、どんなデッキでもサブプランを用意することが常に最適というわけではない。メインプランが尖りすぎていてどんなサブプランとも相容れなかったり、そもそもメインプランの貫徹に注力することが結果として最も勝率に貢献する場合もあるからだ。

　そしてこのデッキの場合、《偽りの名 リベルラ》《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》の3枚コンボをメインプランに据えた時点で、サブプランがどうとか言ってる余裕は全くないに決まっているのである。

　ゆえに必要なのは生半可なカードパワーによる介護ではなく、何があろうと絶対に特殊勝利してみせるという強い一貫性だったのだ。

　つまりここにおいて求められる思考は、「《偽りの名 リベルラ》を引かない場合に～～」とか「《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》を引かない場合に～～」ではなく、「うおおおおお絶対絶対絶対何があろうと毎回《偽りの名 リベルラ》《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》を揃えるぞ！！！」なのである。

　ただ他方で、それでも《偽りの名 リベルラ》を運用するには裏向きマナが4つも必要であることには留意しなければならない。登場時とターン開始時で2つまでは自身で作れるにしても、《偽りの名 リベルラ》を出す前の段階でも既に2枚の裏向きマナが作れる構造でなければならない。そしてそのような構造は、《ディメンジョン・ゲート》や《クリスタル・メモリー》のようなカードでコンボパーツを集める構造とは相反するものだ。

　そうした視点に立ったとき、《呪華のサトリ カナザー》は《偽りの名 リベルラ》《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》にアクセスしながら裏向きマナが作れる唯一無二のカードである。しかも自身の能力で《偽りの名 リベルラ》を出せるので、3ターン目《呪華のサトリ カナザー》→4ターン目《シャングリラ・クリスタル》から攻撃時に《偽りの名 リベルラ》という動きが許容されるのは大きい。

　また、3枚コンボを揃えるのにマナを一時保管所として使えないのはもったいないので、《ピクシー・ライフ》は裏向きマナこそ作れないものの裏向きでマナに落ちたコンボパーツを拾うのに役に立つ。

　ただこれだけだととても手札が足りないところ、《クローン・ファクトリー》を採用することで「《偽りの名 リベルラ》設置後の5マナ2枚即死コンボ」を「《偽りの名 リベルラ》設置後の6マナ1枚即死コンボ」に限りなく近づけることができるようになる。

　《偽りの名 リベルラ》は水晶武装で呪文軽減だけでなく呪文を唱える際に裏向きマナを染色してくれるので、《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》と《水晶の祈り/クリスタル・ドゥーム》のセットを表向きで残しておけば、水晶武装を維持したままコンボパーツを手札に揃えることが可能だ。

　とはいえこのコンボはそもそも相手がクリーチャーを全く出さないと勝てないところ、《父なる大地》を差しておくことで、相手のマナからクリーチャーを無理矢理引っ張り出すという勝ち筋を残せる。

　というわけで、できあがったのがこちらの「QXチューン」だ！

　『QXチューン』

まつがん「よし、このデッキで勝負だ！デッドマン!!」

デッドマン「いいですよ！ちなみにこのデッキ、超次元と超GRで勝つんでメインデッキにクリーチャーが1枚も入ってないんですよ」

　そんなマニアックなデッキを持ってくるな！！！😡😡😡（特大ブーメラン）

　ではまた次回！

ライター：まつがん   フリーライター。クソデッキビルダー。 論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。 オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている（が、上記のような理由で大体失敗する）。

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