【スプラトゥーン】トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!! あとばる×ルオカ団長が語る新シーズン&甲子園チーム解説~1~

トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!!
【あとばる×ルオカ団長 第1回】

いよいよ今月末に「スプラトゥーン甲子園2023」全国決勝大会が開幕!

というわけで今回はルオカ団長をお招きして、全国決勝大会の展望や出場する各チームの特徴などを詳しく聞いてみたぞ。

その前にまずは、3月からスタートした新シーズンの内容をチェック。このアプデで環境はどう変化する!?

あとばる
驚異的なエイム力を持つカリスマプレーヤー。「第2回スプラトゥーン甲子園」では、不利な状況から相手を次々と倒す神がかり的なプレーを連発し、優勝に大きく貢献。H3リールガンの名手としても知られ、彼の影響でH3リールガンを使い始めたプレーヤーも多いとか。おもな実績は「第2回スプラトゥーン甲子園」優勝、「第4回スプラトゥ-ン甲子園オンライン代表決定トーナメント」優勝など。チーム・よしもとゲーミング カラマリ所属。
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ルオカ団長
『スプラトゥーン』でも屈指の理論派として知られるトッププレイヤーのひとり。「第5回スプラトゥーン甲子園2020 」全国3位、「スプラトゥーン甲子園2023 」オンライン大会秋ベスト4などの実績を持ち、ステージやルールに合わせた柔軟な戦略でチームを勝利に導く。また、「第4回スプラトゥーン甲子園2019 近畿地区大会」では、自身が監督を務めた「ぽぽじろう学園高等部3年A組」が優勝するなど、選手としてだけでなく指導者としても優れた手腕を発揮。まさにナワバリバトルの勝ち方を知り尽くしたプレイヤーといえる。
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2024年春シーズンが開幕! 環境はどう変化した!?

――3月から2024年春シーズンが始まりました。今回のアプデで環境に入ってきそうだなとか、影響しそうだなと感じた内容はありましたか?

ルオカ団長:今回追加されたブキが何個かあるんですけど、個人的にはリッター4Kカスタムはけっこう強いのかなと思っています。リッターってこれまでは環境的にちょっと逆風なブキだったんですけど、スペシャルにテイオウイカがあることで、相手がエナジースタンドで詰めてきたときにもカウンターとして機能しますし、リッター自体もともとのブキパワーは高い方ではあるので、今後のアプデ次第ではさらに強くなる可能性があることを考えると、これは今回のアプデの中では一番の当たりブキなのかなと。

 

――特にこのルールだと使う人が増えそうというのはありますか?

ルオカ団長:もともとチャージャー系ってガチアサリが非常に苦手なブキなんですけど、そのガチアサリにおいてテイオウイカは強いスペシャルで、かつサブのビーコンもアサリでは前線の維持だとか、中央周りにおいてアサリを拾ったりとかいろいろ使いやすいことを考えると、メインがチャージャーの方はアサリは全部リッター4Kカスタムを持つんじゃないかなとは思いますね。

 

――ナワバリだとさすがに厳しいですよね?

ルオカ団長:厳しいとは思ってはいるんですけど、いまの環境的にはR-PENがかなり流行しているんですけど、そのR-PENに対してリッターは射程で有利を取っているのと、ジャンプビーコンもナワバリではけっこう強い方のサブではあるので、もしかしたら出てくる可能性もあるんじゃないかなとは思っています。

 

――ナワバリでも「まったくない」という存在ではない。

ルオカ団長:そうですね。全ルール強みを出せるブキなんじゃないかなとは思っていますね。

 

――あとばる選手はいかがですか?

あとばる:同じくリッター4Kカスタムと、あと.52ガロンデコは個人的にはこれまでにないスミナガシートブキで面白いなとは思います。

 

――これまでのスミナガシートを持つブキとはタイプが違う?

あとばる:そうですね。スミナガシートって、これまではボトルガイザーやスパイガジェットといった「キルの速攻性がないブキ」についていたんですけど、今回スミナガシートが追加された.52ガロンデコとバリアブルフォイルって、どちらもキル速に優れているブキなので、「スミナガシートを使って隠れてキルを取る」という動きを全部自分だけで完結できるようになったんですね。その意味でも、スミナガシートの本来の強さを活かしやすいブキなのかなとは思いますね。

 

――使い方として面白いことがいろいろできそう、と。

あとばる:そうですね。でも今回やっぱり一番強いのは団長さんが言っていた通り、リッター4Kカスタムかなあ。これまでチャージャー種といえばR‐PEN一強だったのが、そこにより長射程のリッター4Kカスタムも選択肢として出てきたというくらい強いとは思いますね。

 

――R-PENがそれだけ強かったということなんですね。

あとばる:正直、XマッチとかをやっていてもR-PENとリッターのミラーになったら、R-PENがいるほうが勝つなってぐらいにはパワー差があったんですよ。
 それは、R-PENのエナジースタンドでリッターの唯一の持ち味である理不尽キルをほぼ無力化できる上に、R-PENのメインの塗りが抜群に強いというところにあったんですけど、リッター4Kカスタムはビーコンで復帰速度の差を抑えられるし、エナジースタンドで前線を上げる相手に対してテイオウイカでカウンターすることもできる。
 なので、これからはナワバリとエリアはR-PEN、それ以外のルールはリッター4Kカスタムというふうに使い分けるのが主流になるのかなとは感じますね。

 

――テイオウイカとビーコンの組み合わせがかなりいいんですね。

あとばる:そうですね。テイオウイカで暴れて時間を稼いでいる間にビーコンで飛んでくるんですよね。

 

――新ブキのガエンFFと24式張替傘・甲はどうですか?

ルオカ団長:いやー、クセが強いブキだなあという感じです(笑)。人によってどちらが評価が高いかは分かれるのかなと思うんですけど、僕としてはガエンFFより24式のほうが評価は高いですね。
あとばる:自分もそうですね。使いこなせたらって前提になった場合は、絶対に傘のほうがパワーが出ると思う。
ルオカ団長:ガエンFFと24式って、既存ブキの中間性能を意識したブキだと思うんですよ。とくに24式傘に関しては、これまでのシェルターと比べてすごくバランスのいい性能になっていると思うんですね。
 たとえばパラシェルターは接近性対面性能は高いけど、そこまで持っていくのが難しいという弱点があって、逆にキャンピングシェルターは接近性対面に持っていきやすいけど小回りが効かないのが弱点。24式傘はその両方の短所を少し補ったマイルドなシェルターになっていて、わりと「いいとこ取り」みたいな性能になっているんですよね。
 ガエンFFもイグザミナーとかノーチラスといったスピナーの長所と短所をマイルドにした感じがあるんですけど、こちらはちょっと中途半端な性能になっちゃっているのかなあとは感じます。

▲24式張替傘・甲は傘の耐久値こそ低いものの、パージしてもすぐに傘が復活するのが特徴。

 

――シェルターをメインで使っているルオカ選手から見ても24式傘は使いやすい、いいブキだなという評価。

ルオカ団長:そうですね。スペシャルがグレートバリアというのも非常によくて、どうしてもシェルターは耐久面のところに置くブキなんですけど、もしパージがなくなってもグレートバリアがあるし、グレートバリア内での戦闘もけっこう火力が出るので強いと思います。その意味でもいいブキだと思うし、今後の調整次第でさらに強くなる性能を秘めたブキだなと。

 

――ガエンFFに関してはスライドの硬直がある点が、やや扱いずらいところですかね。

ルオカ団長:どうですかね。僕、あまりスライドを使わないんでちょっとあれなんですけど。
あとばる:スライドの使い勝手もそうなんですけど、どちらかというと遠距離モードの最長射程が問題で、「緊急回避手段じゃなくて、近距離対面のカウンターとしてスライドを使ってね」は試みとしては面白いと思うんですけど、そのカウンターに相手を誘導するための遠距離モードがそんなに優秀じゃない。
 相手からすると「じゃあ逃げちゃえばいいし」とか「より遠くから狙えるブキでいじめちゃえばいいよね」というので、存在感を出すのが難しいなとは思いましたね。

▲ガエンFFは通常時は射程が長く、スライド後は射程が短くなる代わりに連射速度が上がるという特徴を持つ。

 

――なるほど。

あとばる:もちろん、スライドが1回しかできなくて硬直が長いのも痛いところではありますね。2回スライドできるのに、重いからあまり使われてないケルビンがすでにいるのに、それが1回になったらそれは厳しいよなという。でも、近距離はトラップを絡めて、遠距離はメガホンを絡めてというブキのコンセプトは僕はすごく気に入っているので、強い弱いは別としていいブキだなあとは思いますね。

 

――あと、バランス調整も行われて、たとえばLACTが「チャージ段階までインク消費量17%増加」という調整が入りましたけど、これでLACTはちょっと使いづらくなったということもあるんですか?

あとばる:個人的にはそんなにないですね。もちろん「インク消費量多くなったせいで塗り切れなかったな」とかはあるんですけど、初動ぐらいですね。これまでインクタンクを使い切るまでにマルミサを溜めていたムーブをしても、インクが切れちゃうとかはあるんですけど、その辺はたぶん慣れてくれば直せる部分なので。
 弱体化しているけど、使えなくなるレベルではないというか。いままで使っていた人からすると「まあちょっと動きを変えればいいかな」ぐらいで、逆にちょっとLACTを触っていて、とりあえず連打すれば塗れるぐらいの感覚で使っていたような人は、少しインク切れを感じるようになるぐらいの弱体かなと思います。

 

――あと、ナワバリの環境の話も伺いたいんですけど、基本的にはやっぱりエナジースタンド環境が継続中という状態なんですよね?

ルオカ団長:そうですね。ナワバリについてはエナジースタンドが必須までありますね。ほぼすべてのチームが1枚は入れているんじゃないかなと。

 

――環境としてはエナジースタンドが絶対に1枚はいて、LACTもいて、あと2枚どうするかみたいなのが基本的な編成?

ルオカ団長:そうですね。LACT、エナジースタンドまではたぶん9割以上のチームが採用しているんじゃないかなって感じはします。どっちも出てこないってパターンはなかなかない。

 

――エナジースタンド2枚編成も流行っていましたけど、これもまだ多いんですか?

ルオカ団長:エナジースタンド2枚編成は減りつつありますね。それがたぶん、R‐PENの影響なんじゃないかなと思っていて。R-PENってチャージャー枠のLACTなんですよ。瞬間塗りが非常に優れていて、最後に人数有利さえ作ってしまえば塗りだけで勝っちゃうみたいな。

 

――確かにR-PENの塗り力半端ないですもんね。

ルオカ団長:それで、LACTの厄介なところって、どれだけラインを押しても最後の中央戦で負けてしまったら塗りポイントで負けちゃうみたいな現象が起きるからなんですけど、エナジースタンド2枚ってラインをどんどん上げて、相手のLACT1枚じゃ間に合わないようなゲームスピードに持っていくという戦略で使われていたんです。
 でも、いまはLACTに加えてR-PENという瞬間塗りの強いブキがもうひとつ編成に加わったことで、ラインを上げるメリットよりもデスのリスクの方が高くなってきている環境なんですね。なので、エナジースタンド2枚じゃなくてもいいかなと思っているチームはけっこう多いし、ステージによっては減ったかなっていう印象あります。

▲R-PEN/5Hはエナジースタンドをスペシャルに持ち、ナワバリではとくに人気のあるブキ。

 

――なるほど。

ルオカ団長:あともうひとつ、エナジースタンド2枚が強かったのは、オンラインの「報告ありきのナワバリ」っていうのがあって、報告できるのでエナジースタンドを絶対に交互に吐けるし、かつどこに置くかも意識できる。前線の味方に「エナジースタンドがあとどれくらいで溜まる」とか、そういう伝達ができる環境での話だったと思うんですね。
 それが甲子園のようなオフラインでの環境になると、どうても意思疎通の面でずれが生じたり、思っていたのと違う状況になっていたりというパターンが出てくるので、とくに甲子園の決勝大会に関してはエナジースタンド2枚じゃなくてもいいんじゃないかと考えているチームも少なからずいるんじゃないかなとは予想しています。

 

――確かにオフラインの大会だとエナジースタンドのタイミング被って無駄になったとかもありそうですもんね。

ルオカ団長:そうですね。結局、R-PENが追加されたことによる瞬間塗りの圧力が近すぎて、エナジースタンド2枚じゃ間に合わない、圧をかけてもあまり意味がないみたいな状況もできやすい。なので、そのR-PENを止めないといけない分、攻撃系のスペシャルを増やしたっていうチームもいるみたいですし。

 

――なるほど。そのR-PEN対策としてリッター4Kカスタムという選択肢もあるという。

ルオカ団長:もしかしたら試しているチームもありそうですね。

 

――その甲子園の全国決勝大会が今月末に開催されます。代表12チームの顔ぶれを見ていかがですか?

あとばる:正直どこが勝ってもおかしくないとは思いますね。今回ってこれまでの甲子園の中でもけっこうイレギュラーな大会だと思うんですよ、オフラインでやるけど無観客っていう。やっぱりオフラインでやる上での一番のプレッシャーがかかる部分って、「大勢に見られている部分」だと思うんですよ。
 視聴者数とかではなくて、現地で見ている人の目で、それが力になる人もいると思うんですけど、やっぱり緊張のもとにもなるので、それが今回はない。そこは面白いところかなと思いますね。
 あと、『3』ってこれまでのナンバリングに比べてもそんなに大きなブキの差みたいなのがなくて、カニタンクからエナジースタンドに軸が流れたというのはありまけど、ここ10ヶ月ぐらいはそんなに軸は変わってないのかなと思うんですね。じゃあ、どこで差をつけますかってなったら、それはこれまでのナワバリの経験値だと思うんです。なので、これまでの甲子園に比べてもちゃんとナワバリをやってきたところがちゃんと勝つ甲子園なのかなと思います。

 

――ルオカ選手はいかがですか。

ルオカ団長:どうだろう。大本命を選ぶのは難しいですね。ただ、やっぱり経験値と本番の強さを考えるとBangColorBabyZ が本命になるかなとは思うんですけど、個人的にはチームでずっと練習しているTearRainに注目していて。
 ナワバリ対抗戦っていわゆる配信ありで練習していなかったり、直前の大会には出ないようにしようみたいなのとかもあったりするんですけど、TearRainってそういうことをまったく気にしていなくて、ひたすらチームで練習しているイメージがあるんですよ。
 そういったところも考えると、チームの練度的にはTearRainがかなり高そうだなって印象があるので、甲乙それぞれのリーグで注目チームを選ぶとしたら、この2つになるかなという感じですね。

 

【今回のまとめ】
・リッター4Kカスタムはかなり優秀なブキ!
・24式張替傘・甲はこれまでのシェルターの「いいとこ取り」な性能!
・R-PENの流行でエナスタ2枚編成は減少した!?

 

次回は「スプラトゥーン甲子園2023」全国決勝大会に出場する各チームをふたりが分析!

それぞれの特徴や注目ポイントをたっぷりと聞いていくぞ。

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次回は3/22(金)ごろ更新予定!!