ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー vol.104 ~スマホ版MTGアリーナ始動!世界王者のデッキを試してみよう~

By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。

さて、先週の3月25日(木)にはMTGアリーナのスマートフォン版アプリがローンチされました! 僕もローンチ当日にダウンロードして実際にプレイしてみましたが、かなり快適にプレイできました!

ちょっとカードテキストが読みにくかったり、盤面が複雑になってくるとプレイしにくくなるのは課題といえるかもしれませんが、手軽にマジックを楽しめるのはすばらしいですね。もちろんPC版のMTGアリーナとアカウントを共有できますし、クロスプレイも可能なので、すでにMTGアリーナを遊んでいるという方も、まだMTGアリーナをプレイしたことがないという方も、ぜひこの機会にアプリをダウンロードしてみてください!

また、『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のカードも続々とプレビューされています。スマホから手軽に遊べるようになった上、新セット発売も控えていて、友達や家族にマジックを勧めやすくなりましたね。ぜひマジックを布教し、ついでにこの連載のことも教えてあげてくださいね。

さて、それでは今週もスタンダードの最新のデッキリストを見ていきましょう!

『カルドハイム』チャンピオンシップ

先週末にはついに『カルドハイム』チャンピオンシップが開催されました。これまでにも何度も(vol.95vol.98vol.100)予選の結果を取り上げてきましたが、こちらはその本戦です。

賞金総額はなんと250,000ドル(約2,763万円/3月31日現在)で、予選通過者をはじめマジック・プロ・リーグ所属選手やライバルズ・リーグ所属選手も参加する非常にハイレベルなトーナメントでした。

そんなトーナメントで見事に優勝を果たしたのは、ドイツのプロプレイヤーであるアーネ・ハーシェンビス選手/Arne Huschenbethでした。日本のカードショップ「晴れる屋」からスポンサードを受けた「Hareruya Pros」所属プレイヤーでもあります(※リンク先は外部サイト)

ディミーアローグ(使用者:アーネ・ハーシェンビス選手)
枚数 カード名(メインボード)
3 《沼》
4 《寓話の小道》
4 《清水の小道》
1 《ロークスワイン城》
3 《ゼイゴスのトライオーム》
3 《欺瞞の神殿》
6 《島》
4 《盗賊ギルドの処罰者》
4 《空飛ぶ思考盗み》
4 《遺跡ガニ》
4 《マーフォークの風泥棒》
2 《アガディームの覚醒》
2 《心を一つに》
2 《神秘の論争》
2 《取り除き》
4 《物語への没入》
2 《無情な行動》
4 《湖での水難》
1 《無礼の罰》
1 《軽蔑的な一撃》
枚数 カード名(サイドボード)
1 《夢の巣のルールス》
1 《否認》
3 《激しい恐怖》
2 《塵へのしがみつき》
3 《スカイクレイブの影》
2 《死の重み》
1 《本質の散乱》
1 《軽蔑的な一撃》
1 《神秘の論争》

 
こちらは前環境からおなじみの「ディミーア・ローグ」です。最近は「サイクリング」デッキが幅を効かせていたため、相手の墓地を肥やしてしまうこのデッキは立ち位置が悪かったのですが、今大会では「サイクリング」は対策されていたためかイマイチ勝ち切ることができず、結果として「ディミーアローグ」がその隙を縫って勝利を収めたようです。

▲《遺跡ガニ》
▲《神秘の論争》

このデッキに採用されている《遺跡ガニ》は対戦相手のライブラリーを凄まじいスピードで掘り進めてくれるクリーチャーです。初期の「ディミーア・ローグ」はあくまで部族アグロデッキの形で、クロックパーミッションのような動きをしていましたが、現在はこの《遺跡ガニ》を採用した形のリストが主流で、対戦相手のライフとライブラリーの両方を攻めることができるようになっています。通常、デッキの勝ち筋は一つに絞ったほうが良いのですが、「ディミーア・ローグ」の場合は対戦相手のライブラリーを削ることでボーナスを得られるカードが多いため、《遺跡ガニ》のようなライブラリーを削ることしかできないクリーチャーにも居場所があります。

《神秘の論争》は今大会で最も使用率の高かった呪文の一つです。メタゲームブレイクダウンの上位を「スゥルタイ根本原理」や「ティムール・アドベンチャー」が占めていたこの大会では刺さる相手も多いです。また、「サイクリング」に対しても有効です。「サイクリング」は使用できるマナがタイトで、《天頂の閃光》のようなフィニッシャーをプレイする際に3マナの余裕をもたせることは難しいデッキです。そのため、この《神秘の論争》の効き目も強く、相手の致命的な呪文を着実に弾きながら自分の勝ち筋を守ることができます。

▲《夢の巣のルールス》
▲《盗賊ギルドの処罰者》

また、相棒として《ルールス》も採用されており、長期戦ではアドバンテージ源となってくれます。特に《遺跡ガニ》や《盗賊ギルドの処罰者》のような継続的な掘削手段は相手から除去の的になりやすいのですが、それらのクリーチャーを使い回すことができるのは非常に強力です。また、《盗賊ギルドの処罰者》はクロックとしても優秀な他、自身の能力によって接死を持つことができるためブロッカーとしての性能も高く、《恋煩いの野獣》や《繁栄の狐》といったサイズの大きなクリーチャーも相打ちにしてくれます。

プレイングには少々慣れが必要ですが、その分使いこなしたときの爽快感はバッチリ! また、デッキ作成に高レアリティのカードが(それほど多くは)必要にならないので、初心者でも組みやすいデッキです。スマホ版のMTGアリーナをダウンロードした際には、ぜひこのデッキを組んでみてはいかがでしょうか?

ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。 MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。

 

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