【角満のエルデンリング日記4】“リムグレイブの窓際族”、早くもプライドが揺らぐ

と、トリ1匹殺せないのか……

 前回、道行く巨躯の騎馬兵に難癖をつけられ、

 「YOU DIEDwww」

 いきなり理不尽な死を迎えてしまった……という情けない話を書いた。

 俺は……勇者なのに!!!

 人類の希望を一身に背負った、誇り高き肉弾戦士だと言うのに!!><(褪せ人だけどな)

 この、あまりにもあんまりな敗北は、俺の勇者のしてのプライドを著しく傷つけた。これほどの屈辱を払拭するのは、そうそう簡単なことではないぞ。なんでもいいから、勇者らしく勇ましく戦う姿をこの目で見ないことには、心穏やかにリムグレイブを闊歩することができねえよ!!

 ってことで、いよいよ本格的な戦闘に入ることにした。でもとりあえずの方針として、

 「さっきの、ツリーガードとかいう巨躯の騎馬兵に関しては……ひとまず、不問に付すことにする^^; きっと虫の居所が悪くて、俺に当たり散らしてしまっただけだろうからね^^; わし、こういうことは寛容なのよ^^」

 オトナな態度を気取っているわりに……ツリーガードがいたあたりは大袈裟なほど迂回して、俺はフィールドの端っこのほうにやってきた(苦笑)。なんだか早くも、“リムグレイブの窓際族”になったかのような印象である。

 でも……!

 そんな俺の前に、汚名をそそぐにはもってこいの、見るからにこの世界の厄介者的な怪物が……!!

 のっしのっしwww

 う……。な、なんやあいつは……((゚Д゚;))

 まだ距離はけっこうあるのに、ヤツが俺よりも遥かにデカい巨人であることが手に取るようにわかるぞ……。これ……攻撃できるのかな?? もしかしたら、まだ触れてはいけないアンタッチャブルな存在だったりして……。

 『エルデンリング』では、R3を押すことで攻撃対象をターゲッティングできる。それによりカーソルが付き、カメラの視点が固定されたなら、その対象に攻撃可能であることを教えてくれるってわけだ。

 そこで、ノシノシと歩く巨人に向かってR3を押してみたらだな……!!

 やっぱり攻撃できるんかよ……!!

 この、ひとたびその世界に放り込まれたなら、戦力差とかレベルなんてものはいっさい関係なく、好きに攻撃も、逃げることも、死ぬこともできるという、フロム・ソフトウェアのアクションRPGらしい造りたるや……!w い、いや、それにしたって……!

 こ、これは……((゚Д゚;))

 幸い、草むらに隠れることができたので見つかってはいないけど、どう贔屓目に見ても俺のほうが弱いよな……。

 蛇に睨まれたカエルが如く、草むらで硬直したまま巨人の歩くさまを眺める俺。

 ズーン! ズーーーン!!

 それにしても、デカいな……。パッと見で……10メートルくらいある?? 往年の巨大レスラー、アンドレ・ザ・ジャイアントに換算すると、5ジャイアントくらいありそう……((゚Д゚;))

 とはいえ。

 前述の通り俺は、汚名をそそがねばならんのだ。

 もしもこのジャイアントを倒せたなら、ツリーガードから受けた屈辱なんてお釣りがくるレベルで払拭できるぞ。

 となれば……攻撃だ!! 幸い、まだ気づかれていないので、背後から致命の一撃を入れられる……!

 ……脚に心臓でもない限り、致命の一撃は無理かwww でも、ここぞとばかりにジャンプ+強斬りを叩き込んでやる!!! うおおおお!!! いっけぇぇぇええええ!!!!

 スカッwwwwww

 ひえええええ!!!www この人、脚長すぎぃぃぃいいい!!! 目測誤って、思いっきり股ぐらの虚空に斧を振り下ろしちまったじゃねえか!!!><

 さっきまでおとなしかった巨人も、俺の蛮行に気付いて態度が豹変。

 「おうッ!!! 小虫だと思って放っておいたら、なにやら好き勝手やろうとしてくれたのう!!!(怒)

 ドスドスとけっこうなスピードで追い掛けてきて、無害な一市民の俺に(攻撃しようとしたけど)鉄拳を振り下ろそうとする。その追撃をヒィヒィと喉を鳴らしながら逃げて草むらに逃げ込み……。

 ひたすら息を殺して、成り行きを見守るしかなった数分間の地獄たるや……((゚Д゚;))

 けっきょく、俺を見失った巨人は、

 「ちっ!! ったくよう」

 と舌打ちをしながら、元来た道を引き返していった。それを涙ながらに見送った俺は、

 「くっそ!!!>< また恥かかされた!!!><

 ってんで、

 トリに八つ当たりを仕掛けることに(我ながらやることがセコい)。

 ところが……。

 バッサバッサwww

 おおお、俺、トリすらとらえることができんのか……(((( ;゚Д゚))) そんなんでこの先、リムグレイブで生きていくことができるのだろうか……?(((( ;゚Д゚)))

 そんな、これ以上ないくらい打ちひしがれる俺の前に……!

 「ん??? なんだこの置物は」

 斬新なデザインの彫刻が……。しかも、△ボタンで調べると……!!

 あ!! なんだか怪しい光が!!! もしや、この光の先に行ったら……!!

 うおおおお……!! ダンジョンがあるぅぅぅううう!!!

 そして俺はこのダンジョンで、勇者として生きていけるかどうかの瀬戸際に立たされることになるのであった。

 続く。

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

『ELDEN RING』公式サイト:
https://www.eldenring.jp/

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