ゾイド生みの親徳山氏5656万字!?限界ロングインタビュー 第1回

 だから、「ブラキオサウルス」とか恐竜の「種」の名前がそのまんま入っているんです。
 昔の『ゾイド』ってメカっぽいから「何々型」って書いてあるんですけど、今回は「何々種」なんですよね。
 これは『コロコロコミック』(7月号)の付録ポスターにもいるステゴサウルス。こっちはトリケラトプスね。
 最初のコンセプトのデザインだと、あまりゴテゴテしないんですよね。

──えー、そうなんですか? これけっこうゴテゴテしている印象なんですが……?

徳山 いやー、でも実際の形になってくるとアーマー部分のボス(筒状の突起)やスリット(放熱・換気用の切れ目)なんかがいろいろ追加されてくるんですよ。あと、ボーン(骨格)の部分もリアリティが出てきます。

──今回は設定からしてリアリティマシマシだから、精密に構築するの大変そうですよね。

徳山 まず、そのボーン部分を作んなきゃいけないっていうのが大変でしたね。
 昔の『ゾイド』だったら、そこまでやんなくてもよかったんだけど、でも今回は、恐竜の「種」というのをモチーフにするくらい、より動物的、より図鑑的なモチーフなんです。

 しかも骨格(ボーン)という設定があって、骨まで発掘・復元するというコンセプトがあるんで、そういった意味では非常に手間がかかりました。

 それから、昔の『ゾイド』だったら、全体をつかんで描いて、コックピットを乗せればいいっていうイメージがあったじゃないですか。

 でも今回のコンセプトは、「人馬一体」ならぬ「人機一体」
 だから変な話、デザインとしては「ゾイドに乗る人」とかシートから描いていくんですよ。
 オートバイのライディングポジションってあるじゃないですか。そのライディングポジションにシートを張って、そこからゾイドを描くような感覚です。

 ただ単に昔の『ゾイド』みたいに全体を描いて、人を乗せちゃうと、人が「乗させられてる感」があって、人機一体にならないんです。
 ここに乗せるには大型じゃなきゃいけないとか、いろいろ考えなきゃいけないことが多いんです。

──ワイルドブラストするとき、変形したアーマーが人にガンっ! ていってぶつかっちゃってもダメですよね(笑)。

徳山 そうそう(笑)、そんなことも考えるわけなんです。こんな感じでまず僕は、コンセプトのデザインを起こします。

──そうですか。で、ですね、恐縮ですが、じつはお話が始まってからまだご挨拶をしていないので……。

徳山 そうでしたっけ?

(一同笑)

──はい(笑)。読者に向けてひとつ名乗っていただければと

(一同笑)

徳山 あ、はい。えー、あらためまして徳山光俊です。
 最初の『ゾイド』を担当し、『ゾイドワイルド』ではゾイドのデザイン原案を担当しています。よろしくお願いします。

──ありがとうございます。では、続きをどうぞ。

徳山 それじゃ遠慮なく(笑)。それからね、『ゾイド』ってオリジナルなんで、デザインと世界観ってセットなんですよね。
だから、デザインをやりはじめるときに、こういう世界観(世界観のコンセプトアート)を描くんですよ。

──これは……すごいですね! ゾイドからじゃなくって、世界観から絵を描き始めるんですね。

徳山 『ゾイドワイルド』の世界っていうものを、みんなで共有しないといけないから。

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