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ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー vol.101 ~復活のサイクリング~

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By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。

先週から特殊セット『時のらせんリマスター』のプレビューが開始されました。そのセット名の通り、今から15年前に発売された『時のらせん』ブロックのリマスター(再編集)版となっており、『時のらせん』ブロックのカードを再録しつつ『時のらせん』ブロックで人気を博した特殊な再録カード、「タイムシフト」カードのオマージュが行われています。

「タイムシフト」カードは過去の(いわゆる“旧枠”の)カードがランダムに1枚封入されているというものでしたが、今回は現代の(いわゆる“新枠”の)カードが旧枠仕様になって収録されるという非常に特殊な再録となっています。マニア心をくすぐる粋な仕様ですよね! 僕は最近ではもっぱらMTGアリーナばかりプレイしていてあまり紙のカードは購入しなくなっているのですが、さすがに今回はパックを剥いてみたい……!

限定生産のレアなグッズではありますが、Amazonではまだ予約できるようです(Wizards of the Coastの公式ストアがあります)。ここではリンクは貼りませんが、興味がある方はぜひ検索して探してみましょう!

さて、『時のらせんリマスター』も気になるところですが、今週もスタンダードの最新デッキリストを見ていきます!

『カルドハイム』リーグ・ウィークエンド

さて、先週末にはMPL/マジック・プロ・リーグのリーグ戦が行われました。競技マジックシーンのトップ・オブ・ヒルに君臨する24名のプロプレイヤー・MPL所属選手や、その2部リーグであるライバルズ・リーグ所属選手たちが賞金と栄冠を目指して戦う、マジック界最高峰のイベントです。

そんな『カルドハイム』リーグ・ウィークエンドで最多デッキとなったのは「ナヤ・アドベンチャー」でした。先週お伝えしたデッキから《憤激解放》や《カズールの憤怒》といったコンボ要素が抜かれてより柔軟なリストに仕上がっており、MPLのリーグではウィリアム・ジェンセン選手/William Jensenがこのデッキを使用して最多勝利を収めていました。

そして、そんな完成度の高い「ナヤ・アドベンチャー」に迫ったデッキがあります。しかも、『カルドハイム』のカードは(サイドボードを含めても)ほとんど使用されていないデッキです。新カードを手に入れたわけでもないデッキが、なぜ勝ち上がることができたのか? 今回は不思議な立ち位置に属している「サイクリング」デッキを見ていきます。

サイクリング(使用者:リー・シー・ティエン選手)
枚数 カード名(メインボード)
4 《連門の小道》
2 《陽光昇りの小道》
3 《ラウグリンのトライオーム》
4 《河川滑りの小道》
1 《清水の小道》
4 《針縁の小道》
1 《荒廃踏みの小道》
4 《ドラニスの刺突者》
4 《繁栄の狐》
4 《ドラニスの癒し手》
4 《雄々しい救出者》
4 《驚くべき発育》
3 《型破りな協力》
2 《切り裂かれた帆》
2 《願い与えの加護》
4 《血の希求》
4 《天頂の閃光》
3 《記憶漏出》
3 《踏み穴のクレーター》
枚数 カード名(サイドボード)
1 【相棒】《夢の巣のルールス》
2 《魂標ランタン》
1 《切り裂かれた帆》
2 《ガラスの棺》
2 《神秘の論争》
2 《否認》
2 《レッドキャップの乱闘》》
1 《空の粉砕》
2 《火の予言》

「ナヤ・アドベンチャー」や「スゥルタイ根本原理」など、骨太なミッドレンジデッキが流行っている環境ではピーキーなアグロデッキは勝ちにくくなる傾向にあります。除去などの妨害カードでゲームスピードがスローダウンさせられた後、ミッドレンジデッキ側が盤面にフィニッシャーを投下して盤面に蓋をする、といった展開になりがちで、アグロデッキ側の持ち味である“速度”という武器が封じられることになるからです。実際、『カルドハイム』リーグ・ウィークエンドでも「白単ウィニー」は人気デッキではありましたが、しっかりメタられていたようでなかなか勝ち越せなかったようです。

▲《繁栄の狐》
▲《雄々しい救出者》
▲《型破りな協力》

「サイクリング」もまたアグロ~ミッドレンジデッキに列するデッキで、主戦力はゲームの最序盤から圧倒的な速度で対戦相手のライフをごっそり削っていく《繁栄の狐》や、トークンを大量に展開することでアグロ戦略を支持してくれる《雄々しい救出者》や《型破りな協力》といったカードです。もちろんそれだけならば「アドベンチャー」系統のデッキや「スゥルタイ根本原理」などのミッドレンジデッキに捌かれてしまいそうですが、「サイクリング」デッキは搦め手や本体火力も豊富で、盤面を捌かれた後も戦うことができます。

▲《天頂の閃光》

特にこのデッキのフィニッシャーである《天頂の閃光》は非常に強力なカードで、たった1枚で10点以上のダメージを叩き出すこともザラです。このカードの存在によって、盤面を完全に捌かれた後でも常に一撃必殺のチャンスが生まれます。長期戦になった場合でも勝利の芽が残る上、ライフ回復もできるので対戦相手が攻勢に転じてきた場合でも延命手段として有効です。

また、サイクリングデッキはその性質上デッキのほとんどが実質的なドローカードで構成されているため、サイドボード後のゲームではサイドボードカードにアクセスしやすいという特徴があります。新カードもほとんど得ていない上に戦略はピーキーですが、見かけ以上に幅広い相手と戦うことができるデッキなので、現在のメタゲームでも立ち位置を確保できているようです。

さらに、デッキのカードのほとんどがコモンやアンコモンで構築されているので、土地さえ揃っていれば気軽にデッキを組むことができるというのも大きなメリット。たまには普段と違うデッキを回してみたいなと思う方は、ぜひ「サイクリング」デッキをプレイしてみてはいかがでしょうか?

ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。 MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。

 

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