【#コロコロ500号】42年の歴史を詰め込んだ『コロコロ500号記念大年表』公開 第3弾!!(1987年〜1991年)

1990年 第141号~第152号

【1990年のトピック】「スーパーマリオくん」登場!
現在も本誌で連載中で、作者を変えず来年で30周年を迎える前代未聞の「コロコロ」作品といえば、ご存知「スーパーマリオくん」。しかし沢田先生がマリオを描いたのは本作から4年前、1986年「小学三年生」2月号に掲載された攻略マンガ「スーパーマリオブラザーズ」が初であった。この時期からカウントすれば既にマリオとは33年のお付き合い!
 
その後、類似誌でマリオ作品を連載した後、「コロコロ」初登場となったわけだが、「スーパーマリオくん」は、それ以前の沢田マリオ作品と決定的に異なっていた点がある。それは、マリオを、いちマンガ主人公としてキャラクターを立たせたことだ。過去作の“クッパに立ち向かうマリオ”というバトルを主軸にした展開だったが、「スーパーマリオくん」は、沢田先生いわく「マリオキャラによる吉本新喜劇」。騒動の中心にマリオがいて、ツッコミ役のルイージがいて、おなじみのギャグがある。ソフトやハードが変わっても違和感のない、この卓越した世界観設定こそが長きにわたって読者を楽しませる秘訣となっているのである。
 
これまでゲームを題材としたマンガは「ゲームバトル」や「攻略マンガ」、そしてゲーム世界観を順守しながらストーリーが進行する「コミカライズ」が主であったが、「スーパーマリオくん」のヒットにより、それまで傍流だったジャンル「ゲームキャラギャグ」が児童マンガ誌シーンで主流となっていくのである。

▲1990年10月号 表紙(150号)

【主な人気漫画】
2月号~ 「それゆけ!ゲームボーイ探検隊」立石佳太、「魔神英雄伝ワタル2 魔神開発大決戦」青木たかお
3月号~ 「江戸っ子ボーイ がってん太助」樫本学ヴ
4月号~ 「ラジコンリッキー」大林かおる、「パロ伝英雄劇場」相庭よた郎
5月号~ 「やったぜ!クワタくん」河合じゅんじ
9月号~ 「大長編ドラえもん のび太のドラビアンナイト」藤子・F・不二雄
11月号~ 「スーパーマリオくん」沢田ユキオ、「電脳ボーイ」ながいのりあき、「からくり剣豪伝ムサシロード」穴久保幸作、キャラデザイン:大河原邦男
 
ゲーム機の新ハードに注目が集まったこの年、「コロコロ」はゲームボーイを扱った「それゆけ!ゲームボーイ探検隊」、待望のファミコン後継機・スーパーファミコンを扱った「電脳ボーイ」を連載開始。
マンガにおいても「かっとばせ!キヨハラくん」でキャラブレイクしたクワタが「やったぜ!クワタくん」として主人公化し、「ラジコンボーイ」の新世代版「ラジコンリッキー」など人気タイトルの後継的作品がスタート。
 
また、後に「コロコロ」看板作家となる樫本学ヴ先生が「江戸っ子ボーイ がってん太助」をヒットさせ(この年の10月よりアニメ化)、そして現在も「スーパーマリオくん」を連載中の沢田ユキオ先生、後に「ポケットモンスター」が長期連載となる穴久保幸作先生が「コロコロ」初登場。90年代の到来とともに新しい息吹が感じられる1年となった。

▲1990年 沢田ユキオ先生「スーパーマリオくん」

【主なホビー】「ゲームボーイ」「スーパーファミコン」
1989年4月に発売された任天堂の携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」人気から「それゆけ!ゲームボーイ探検隊」が連載開始。お調子者のリーダー「ミスター野村」、科学者風の頭脳担当「プロフェッサーK」、レスラー風のアクションゲーム担当「さんだあ杉」という3人組による「ゲームボーイ探検隊」(通称「ゲー探」)が、ゲームボーイソフトをギャグを交えながら攻略するというもので、この3人は実写キャラとしても記事に登場。ミニ四ファイターに続くキャラクター系ホビーヒーローとして誌面を賑わせた。
 
また、ゲームマンガではもう一作、「スーパーファミコン(通称・スーファミ)」の発売にあわせて「電脳ボーイ」がスタート。「ファミコンロッキー」以来の熱血ゲームバトルマンガではあるが、従来のゲームものと異なっていたのは、スーファミ以外にも多種ハードを扱っている点だ。第1話でのアーケードゲームをはじめ、ファミコン、PCエンジン、ゲームボーイ、クレーンゲーム……「電脳ボーイ」はゲーム文化が一気に拡がりをみせていく時代を象徴した作品なのである。
また、「ゲームボーイ探検隊」にも番外編的作品として「それゆけ!ゲームボーイ探検隊Ⅱ スーパーファミコン探検隊」(立石佳太/1991年5月、6月号)がある。

▲1990年 ゲームボーイ探検隊
▲1990年 ながいのりあき先生の「電脳ボーイ」

【1990年の世の中】
アニメ「ちびまる子ちゃん」放映開始。主題歌「踊るポンポコリン」も大ヒット
大阪で「国際花と緑の博覧会開会」が開催
ナイキが「エアマックス95」を発売。スニーカー人気が過熱
礼宮文仁殿下が紀子さまとご結婚、新しい宮家「秋篠宮」を創設。
長崎県の雲仙普賢岳が約200年ぶりに噴火
ファミコンの後継機「スーパーファミコン」発売。
 
【コロコロトリビア】「コロコロ」にも迷い込んできた人面犬!
この時期、話題となったのが「人面犬」。犬の胴体に中年男性の顔(諸説あり)をもつ怪物が出没するという噂に子供たちは興味津々……となれば「コロコロ」が放っておくわけがない! 1月号では人面犬の正体に迫る特集記事「これが人面犬だ!!」、2月号には読切マンガ「ザ・人面犬」(あすかあきお)を、そして10月号では人面犬を主人公にしたドタバタギャグ「人面犬太」(竹村よしひこ)を掲載。連載マンガ「サイキッド謎丸」(河合一慶)にも人面犬エピソードがある。
 
連載とはならなかったが、このときの盛り上がりは学校の七不思議などをテーマにした怪奇マンガ「霊界教室」(1992年/青木孝夫)や、映画「学校の怪談」(1993年)などの“都市伝説ブーム”に繋がっていく。ちなみに人面犬は「妖怪ウォッチ」(2013年/小西紀行)で「コロコロ」に再登場しています。

▲1990年1月号 特集 これが人面犬だ!!