【カブトクワガタ日記】第241回 青いニジイロクワガタの思い出

幼き日の記憶

 長き苦労が報われて、前回の記事でようやく……!!

 ガガンッ!!!

 デデーーーーン!!!

 やったあああああ!!! 村のご神木の最後の遺伝子、ニジイロクワガタの3色目をゲットしたぞぉぉぉおおお!!!><

 という報告をすることができた。

 いやあ……長かったなこの木の捜索!!

 まあ途中で、関係ないムシの最大サイズを目指して交配を始めたり、突然変異種の制作に目覚めてそっちに掛かりっきりになったりしていたので、純粋にこの木だけにかまけていたわけじゃないんだけど、体感的には3ヵ月くらい、村のご神木に取り憑かれていた気がするわーーー。ま、それだけ充実もしていたんだけどな。

 とはいえ、何度もこの記事で触れてきた通り、ダウンロードコンテンツとして実装された連中の他色もポロポロと出現しているので、“完全制覇”には程遠いと思うけど。それは追々、見つけていこうと思うわ。

 でも、とりあえず“デフォルトの”ムシは集めきることができたので、ちょっとおさらいをしておきたい。

 まず、ついに全色そろったニジイロクワガタは……!!

 ノーマルの緑!!

 Rバッジのオレンジ!!

 そして今回の青!!! これで3色そろい踏みだ!!!

 いやしかし、この青いニジイロクワガタはホントにノーマル色なのかね??

 あまりにも自然界にふさわしくない、目の覚めるような鮮やかさなんだけど……。野生のものとはとてもじゃないけど思えず、人間が遺伝子操作して野に放ったかのような美しさをたたえているわ……(うっとり)。

 せっかくなので、いろいろな角度から最強に美しい青いニジイロクワガタを眺めてみよう。

 まず、もっとも見栄えのいい↓この角度。

 おおおおおお……!! 本当にキレイだなこのムシ……!!

 もうひとつ、↓この後ろからの角度も捨てがたいと思ったね。

 そんな青い個体をうっとりと見つめていたところ、

 「あ。そういえば」

 と、いまから40年ほど前の幼き日の記憶がよみがえってきたわ。

 俺は群馬の片田舎にある下仁田町で幼少期を過ごしたんだけど、当時は手付かずの自然が残っていて、ムシもサカナも動物も、非常に色濃く生息していたことをいまでもよく覚えている。

 その中にサワガニがいたんだけど、これ、小一時間も採集すると簡単に500匹くらい採れてしまうくらいウジャウジャいたので、地元の人はあまり相手にしていなかった。俺は子ども心にそのフォルムが大好きだったので、ちょっとでも大きい個体を求めてしょっちゅう山の中を流れる清流にいってはサワガニ採りをしていたのよ。

 その中に極めて稀にだけど、真っ青な色をしたサワガニがいた。特殊な遺伝子なのか、それともアルビノなのかわからないけど、青のサワガニを見つけるといいことが起こる……と小学生ならではの都市伝説が流布していたので、発見できたときは大騒ぎになったものだった。

 このスクショにいる青いニジイロクワガタは、まさしくそのときの青サワガニを思わせる鮮烈な色をしている。ずっと忘れていた幼き日の思い出を呼び起こすトリガーになってくれたので、俺にとってはこの青こそ、ニジイロクワガタの最高……いや、最上級レアリティーになったわ。

 さあ、これにて村のご神木のRバッジ探しは(ほぼ)終了だ。

 次回は勢ぞろいしたこの木の精鋭たちを一挙紹介したいと思う。

 続く。

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

『カブトクワガタ』公式ツイッター:
https://twitter.com/kabukuwa_info

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